小学校二年生、ケッコンなんて大人の世界の話だと思った。 「ほんと?ほんとに藤咲くん私とケッコンしたいの?」 思わず確認してしまった。 藤咲くんは 「うん。ケッコンしよう」 と言ってのけた。 きっとお互いケッコンっていう単語が使いたかっただけなんだよね。 田んぼを抜ける JRの中でプロポーズを 聞いた時の景色を今でも 覚えてるよ。 辺り一面に田植えしたての稲の緑が広がっていたね。 私はその電車の中で 嬉しくて何度も藤咲くんに確認したんだ。