彼のお弁当箱は今でも 覚えてる。 黒の漆塗りに金箔で 兜がデザインされている 重箱みたいなお弁当箱 だった。 「藤咲くんのお弁当、金で兜が書いてあって、豪華だね!」 たぶんこれが私があなた、藤咲太一に話しかけた一番最初だったと思うの。 話しかけたのは覚えてるけど、あなたがなんて返したかはもう忘れちゃった…。