「なぁ、居たのか?」
「嗚呼。篠川さん。
【ゼックン】と【エンリ】って知っているかい?」
「【ゼックン】、【エンリ】……。
すみません、解らないです。」
「そうか。ありがとう。
他の皆は?」
「あそこだ。」
と、猛が指差した先には、
他の4人が小さくなって固まっていた。
「皆、もう居なくなったよ。」
「それは誠か?」
「う……、うん、本当だよ。」
皆安心しきった顔で立ち上がった。
「狭霧や燐や美奈はともかく、早馬、お前ってヤツは……、
情けなさすぎだろ。」
「だって本当に居るって分かったら、
すごく怖かったんだもん!」
「とりあえず、部室に帰ろうか。」