「狭霧、そんなとこに居ねぇでよ。こっちに来て薫の眼の中覗けよ。」

「ぎ……、銀色か?」

「う~ん。黒色だね。」

「おお、そうか。」


そうだ、言い忘れていた。
小生の瞳は幽霊が居ると、銀色になると特殊な瞳なんだ。

「そ……、そうか。」

と、狭霧部長が近づいて来た、その瞬間。

『ワタシハ テンシニナルノ』

小生にしか聞こえないだろう。
物凄くか細い声だ。

「うぁあ!!早馬嘘をつくでないぞ!!
銀色ではないか!!」

「え?あ……、本当だ。」

「静かにしてくれ。
あなたは誰ですか?」

『ワタシハ テンシ』

「天使?」

『ソウ、ワタシハテンシ』

「天使なら、白い羽が背中に有るのでは?」

『ワタシニハ 』

「え?」

『ワタシニハ ハエテナイノ。』

『ゼックントエンリニハ、ハエテイルノカナ?』

「ゼックンとエンリ?誰です……か?
あっ、いない。」