「こら、早風!
廊下を走るでないぞ
忙しない奴じゃのう……。」

「あっ♪
サギリンじゃん!
速いね♪もしかして僕に会いた――」
「そんなワケなかろう。」
「即答か……。ぐすっ」

……、学園の貴公子のメンツ丸つぶれだね。

サギリンこと雨宮 狭霧(アマミヤ サギリ)呆れた顔しながら
「あと、来てないのは3人だけか。」

「うん。後、リンリンとミナッチとタケルだけだね。」

早馬が半ベソ掻きながら言った
と、その時後ろから声がした。

「あら、薫君に早馬君に狭霧さん。
お速いですね。」

「へぇ、意外ね。
狭霧ちゃんがチャラ男と一緒に居るなんて。」

「リンリンにミナッチじゃん♪
君達も僕に会いに来て――」
「そんなワケないでしょ。」
「そんなワケありませんわ。」

「ううっ……。
ぼ……、僕はめげない。めげないよ!」

学園の貴公子メンツボロボロだ……。

リンリン――桜井 燐と
ミナッチ――白雲 美奈は同時にため息を付く。

「これで、来ていないのはタケルだけね。」

「タケルの奴は何をしておるのだろうか?」