Fake Love




「で、コーヒー。緒方さん、コーヒー飲んでも口紅」


戻って来た緒方さんに


「大丈夫よ。メイクはこれからだから。山科さんコーヒーを飲んで気持ちを落ち着けて」


緒方さんがニッコリと。


「はい」


「うん。で、カナ君、私のコーヒーは?」


「あ、緒方さんも飲む?持って来る」


私にカップを渡してコーヒーを取りに行く。


「フフフ…珍しいわねカナ君」


「えっ?」


「今日はやけに饒舌」


「へぇ~」


コーヒーを一口


――





あっ!


私の好みのコーヒー


砂糖なしミルクだけの。


お昼御飯の後のコーヒーの時に見てたんだな。


よく気がつく人だ。