Fake Love




「楓ちゃん、飲む?」


ニュッと私の前に差し出されたカップ



「わっ!わぁ~」


び、吃驚した。


「楓ちゃん、驚きすぎだし。てか一々俺が声かける度に驚くのそろそろ止めてくんない」


困ったような苦笑いを。


「す、すみません」


何故か私、この人に謝ってばかりいる。


でも、私を驚かしてるのは桐生さんなんだよ。


桐生さんは「はぁ~」と溜め息をついて


「ごめん。怒ってる訳じゃないから。謝らなくていいからね」


「は、はい。すみません」


あっ!


「フッ これからは『すみません』はなしね」


「えっ?」


「『すみません』って言ったら、そうだな…しっぺね」


「えっ?」


『しっぺ』って桐生さん…貴方も子どもですか?


「ね。約束だから」


「は、はぁ」


何だかよく分からないけど。


とにかく『すみません』って言わなきゃいいのね、うん。