「楓ちゃん大丈夫?何だか震えてるようだけど」


「き、き、緊張しちゃって」


わぁ~顔が熱い。


「まぁ、カメラがずっと狙ってるし、スタッフも多いからな」


いや、それだけじゃなくて一番の原因は桐生さん、貴方です。


もうちょっと離れてもらう訳にはいかないのかしら。


「楓ちゃん」


「は、はい」


「カメラとかスタッフとか気にしないで。今はダーツだけを考えて」


ドキッ!


耳元で囁かないで下さい。


「楓ちゃん」


「あ、はい、分かりました。ダーツだけ考えます」


「ん」


カメラも桐生さんも関係ない関係ない。


あのど真ん中だけを見つめよう。


――