「こうして楓ちゃんと色々話が出来て、 素の楓ちゃんを見られて…それに山科先 輩が言うように天然さんだなと」


「て、て、天然?!」


またあの馬鹿兄貴は何を?


私が膨れたのに気づいたのか


「楓ちゃん、恋愛初心者さんなのが俺には嬉しい」


「……」


急に話が…


私の向きを変えて瞳を覗き込み


「俺が全てを…楓ちゃんに全てを教えるから」


「えっ?」


「人を愛するってことを…俺の全てを教える」


唇が後、数センチで触れあう…


「奏人」


「えっ?」


「俺の名前…今すぐには無理でも奏人っ て…」


唇が合わさった。


今度は触れるだけのキスではなく…深 く…激しく…


その口づけは甘くて…いつまでも味わっていたいような…


ーー



「楓ちゃん」


「き、桐生…奏人さん」


私から唇を近づけ


「本当の奏人さんを…私に教えて」


唇を重ねた。


それは…


数秒だったかも知れない。


でも私には…まるで無限に続く幸せな時間に感じられた。