テレビの向こうでは人間がつらつらとニュースを諳じている。


どうでもいいことを短い時間で俺に伝えようとしている。
遠い地では家族が変死体で見つかったらしい。
またはここから近いところに住んでいる社会人が警察に捕まったとか。


一睡もしていない脳に定着せずに流されていく情報を気にもとめず、8枚スライスの食パンにマーガリンを塗る。


真っ赤なイチゴジャムを塗ると欠伸がでた。


口に食パンを押し込みながらコップを手に取り、冷蔵庫を物色。


今時珍しいであろう瓶の牛乳を見つけ、コップを後ろ手に投げる。


ガチャンという音と同時に雑に咀嚼した食パンを飲み込む。