淡夢【短編集】

僕とサナは市場からの帰り道を歩いている。

サナはとても満足げな顔をしている。

「ファイのネックレスは『太陽の結晶』って言うんだよ! お店の人が言ってたもん。これで夜でもファイの近くに太陽があるね!」

太陽か……


それなら、もう僕には必要ないような気がするな。


僕は軽く笑みがこぼれた。


僕は幸せ者だと……


そう思うときにこぼれる笑みだ……


最近はよくこぼれるな……