わたしががんばっても。

「そ…。南さん、どッか行っちゃったよ?じゃあわたしはこれで。」

そういって稜とすれ違う瞬間。

グイッ


稜に腕をつかまれた。


「な…に?」

「話したいこと…ある。」

「わたしは…ない。」

心の整理をしたい。

まだ…稜と話す勇気がない。



「お願いだよっ…」

今まで聞いたことのない稜の声。


「1日だけ…1日だけでいいから、時間をちょうだい。」