でもだんだん稜は冷たくなっていった。

一緒に帰ることもなくなった。

最初はまだ『帰れねぇ』って言ってくれたけど

それもなくなった。

昇降口で待ってくれてることもなくなった。

だから、わたしが待っていると知らない女の子と登校してきて

わたしを無視して行ってしまった。


「麻琴…アンタ大丈夫??」

「え…?な…にが??」

心配してくれる恋ちゃんに笑って聞き返す。

「…もうっ、つくり笑いっっ!!」

わたしのぽっぺたを、むにっとつかむ恋ちゃん。

「いひゃいっ…」

「ハァ…ったく、中村絞めてやろうか」

わたしのぽっぺを離してイスにどかっっと座る。

恋ちゃんの視線の先には廊下で女の子と話している…稜。