わたしががんばっても。

晴香side*


「稜…不安にならないの?」

塾の休憩中に稜に聞いた。

「なにが?」

不思議そうに聞く稜。

「木下さんって子とつき合ってんでしょ?他のクラスの友達に会いに行ったらさ、男子達が木下さんの話してたから。」

「マジで!?」


教室中に響くほどの声をあげる稜。

「うん。ホント。」

…なわけないじゃん。あんな大して美人ってワケでもないのに。

むしろその隣にいつもいる相田 恋の方が話題に出るくらいよ。

本当、恋って盲目ね。


「マジかよ…。」

焦った顔で何度も頭をかく。

あぁ、そんなに本気なんだね。