そしてトイレに着いた私は、急いでケータイを取り出しコールボタンを押す。



『もしもし、美月?』

私が電話をかけたのは、蘭。

「あっ、蘭?あのね、ちょっとお願い事が・・・」
『何?何でも言って』
「実は・・・」


私は急いで、かつわかりやすく蘭に今の状況を話した。

『なっ・・!ちょ、美月!今からそっち行くから!!』

ブチッ!

ツーツーツー・・・・


た、助かった・・・

私は安堵のため息を吐き、蘭を待つことにした。

しかし、この時の私は、今の状況から抜け出すことばかり考えていて、蘭が私の予想をはるかに越えたことをやってくれる人だということをすっかり忘れていた。





「美月先輩ー!遅いっスよ!!」
「ごめんごめん」
「美月~こっちこっち!」
「あ、裕太ずりぃぞ!美月は俺の隣だかんな!!」
「先輩達何言ってるんスか?美月先輩は俺の隣って決まってるんスよ!!」
「んだと?!!」

そう言ってまた本能剥き出しの喧嘩を始めたバカ三人組。こいつらはもうほっとこう。