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『ねぇねぇ、』

部屋の隅っこで2人で泣いていたときトントンと肩を叩かれた
顔をあげて振り返ってみると

『んやっ!!』

ばぁっといきなり凄い表情の男の子

その表情をみて恐怖とともにまた涙があふれだした

『ふぇ...っ』

僕らをからかってるの?
こんなに怖がらせて面白い?

ここにはいってから沢山の人が話しかけてきた

みんな僕達で遊んでるのかな....

ここは怖いよ。誰かに助けてほしい


『うわっまた泣いちゃったじゃん!!』

『海斗のばかっ!やっぱり変顔作戦は失敗じゃん』

さっき話しかけてきた男の子達が少し焦りだす

この子たちはこの頃よく話しかけてくるけど
やっぱり怖い


みんなウ○○ラマンにでてくる怪獣みたい←



『海くん怖がらせちゃだめだよっ!!
ごめんね、大丈夫?』

そういってその子は優しく僕らに話しかけてきた

『....ねえ、これみてて』

『....?』

そういって差し出されたその子の手のひら

右手には小さな飴が1つ


その飴を包み込むようにグーをつくって僕らの目の前にだす


『どっちだと思う??』

どっちの手に飴を握っているか

そんなの決まって....


『『こっち』』


右手だよね....



『残念』

悪戯な笑顔でその子が笑う
開かれた右手をみると


『あれっ....??』

『なんでぇ??』


そこにはさっきおかれた飴はなかった
だって握ったのは右手じゃ....

『こっちだよ、はいどーぞっ』

その子の左の手のひらには飴が2つ

可愛らしい包み紙にくるまれたピンクと黄色の飴


『わぁ!ありがとう!!』

『ねぇ、どうやったの!??』



1つから2つに飴

その小さなマジックは すぐに幼かった俺らの心をつかんだ



『この飴はね食べたら涙がとまるっていうおまじないかけてあるんだよ
また泣いちゃったらまたあげるっ
僕ね空っていうの! お友達なろっ??
寂しいなら僕がお兄ちゃんになってあげる!!僕たち家族だよ』

えへへって可愛らしい表現で笑った