「イメチェン、イメチェンっ♪」
まだ言ってる。
確かさっきまでダーリンと真理子ちゃんに何でここに置いてほしいのかの理由を話していたはず。なのになんでこんな話に?
「春ちゃんっ!」
「はいっ!!」
真理子ちゃんが私の肩をがしりと掴む。
「その人達に見付かりたくないんでしょ?」
「はい。」
「じゃあバレないように変装しなきゃ!」
「はい?」
「だーかーらー、変装よ、変装。」
ぱちん。
真理子ちゃんがふふっ、と含み笑いをして人差し指を唇に当て、ウインクする。
惚れ惚れとするウインクだった。
これを世の中の男の人が見たらイチコロなんだろうな。きっと鼻血出して喜ぶね。辺り一面血の海だね。もしかしたら鼻血プールが設立され、泳げるかもしれない。そうなったらきっと、真理子ちゃんはそのプールでは女神と呼ばれることになるだろう。名付けて《鼻血女神》っ!!
「おぉお、女神様ー!!」
「バレたくない時は変装が一番よっ。」
「ぎゃー!」
真理子ちゃんには私の妄想が効かない。
それに感動しながら私は真理子ちゃんに拉致られた。

