赤い狼 伍






「ちょ、ダーリン、分かったから離してって。」




なんでかは分からないけど「俺は感動したっ。稚春に感動したぞー!」私の肩越しに泣いているダーリンの頭を鷲掴みする。


そしてそのまま、




「うっ……!」



ダーリンのお腹めがけてパンチを食らわせた。




「稚春の愛のムチかっ!!」


「激しくキモい。」



どうしたらそうなるのか教えてほしい。


まぁ、ダーリンの頭のネジが外れてるからの発想なんだろうけど。



静かにため息を溢す。



すると、さっきまで騒がしかったダーリンが私の肩に残っているダーリンの涙の跡を見ながら「で?」真面目な顔で言った。



拭けよこの野郎。
とか思ったけどそんなこと言える雰囲気ではなかったからダーリンを見る。



と、




「何かあったんだろ?」




さっきの情けない顔はどこにいったのだろう。



ダーリンは端正な顔で優しく微笑んだ。