「なあ、大人同伴なら入れてもいーんだろ?」
「はっ、そりゃあもちろん」
ヒツギは別に隊長でも副隊長でもないのだが、それでも一応上級クラスの一等騎士の位置にいるため、畏まられることもあるらしい。
とにかく眠たい彼は、特に深く考えもせずに「じゃあ入れてくれや」とあっさり頼んだ。
「はあ、一等士様の許可があれば、その、問題は無いのですが…」
「あー許可する、許可する。
なにか問題があったら、その時はうちの隊長様に押し付けてくれて構わねえから」
「はっ」
衛兵は城門の小さい方のドアのカギを開けると、押し開いて道を譲った。
騎士団の出勤時間はとっくに過ぎているから、門そのものを開けることはできないのだ。
「ひー兄ってばお寝坊さんだねえ」
「うっせえ。
俺だって、朝急に呼ばれなきゃわざわざ隊舎になんて来ねえよ」
「お仕事なんだ、よかったねひもじい人」
「ひもじくねえ!」
ヒツギは大人げない。


