ナツキがいつもクマを連れている、そして、連れていなければ落ち着かない子なのだと知っているのは、このサーカス団の団員に限る。
外部の人間は殆ど…あ、いや、四人ばかし例外はいるけれど、でも一番のようぎしゃはサーカスの団員だ。
ちょうど朝も早かったし、いつも早く出掛けてしまうアルファ兄さんにでも聞いてみようか。
「「アル兄」」
「やあモーニン、ナツキ、ナツミ」
アルファ兄さんはいつもの通り黒いスーツに蝶タイをして背中に大きな剣を背負っていた。
いつも思うけれど、重そうだ。
「あれっ、今日はブランケット連れてないの?」
「それがもがががが」
盗まれた、と言いかけたナツキの口を塞いで、代わりにナツミは精いっぱいの笑顔で応えた。
「今日はね、お休みなの」
「そっか。
ブランケットもお休みもらわなきゃね」
「ろーどーきじゅんほーに違反するもんね」
「…兄ちゃんより難しい言葉はNGだよ」


