自分のテントの角灯をともし、アリスは直しかけのぬいぐるみを手に取った。
結局昼間は耳と足をつけないままナツキに見つかってしまったけれど、彼はきっと、自分が新しい代わりのぬいぐるみを買ったと思い込んでいるに違いない。
早く返しに行ってあげなくては。
完成したぬいぐるみを抱いて角灯を掴み、振り返ればテントの幕が上がっている。
「なっちゃん…」
そこに、泣きすぎたのか目が真っ赤になったナツキの立ち姿があり、腕に抱いた物をじっと見つめている。
来てくれた。
ちゃんと来てくれたんだ。
「アリス姉…」
「なっちゃんごめんねっ!!」
アリスはぬいぐるみを角灯を置いてナツキを抱きしめた。
「ごめんね、ごめんねっ!
なっちゃんがいつも連れて歩いてるから、ブランケットの足直してあげようと思ってちょっと拝借しただけだったの!
今日の夜、直ったブランケット見せて驚かせるつもりだったの!
ごめんね、アルの半纏になんか考えてないからね!
ごめん、ごめんねっ!」
しきりに謝り続ける彼女と、手足と耳がきれいに修復され、首に新しく赤いリボンが巻かれた可愛いぬいぐるみを見て、ナツキの両目から涙があふれた。
赤子のように、喚くようにわんわんと泣く。
なにかショックだったのかと心配してあたふたするが、ナツキの口からすぐに出てきたのは「ごめんなさい」という絶叫だった。


