天使の毛布




「…で、何故俺を呼ぶか」



サーカス団の野外ディナー会場に、不機嫌極まりない顔をした騎士団の一隊長殿が混じっていた。



「そんな怖い顔してると早く老けるよ」



「煩いな。
俺もいい加減副隊長殿が書類持って帰宅なぞしなければ、怖い顔を作らずに済むんだ」



ユーインは団員への配膳ついでに、ジンにもカレーの皿を勧める。



いらんと即答したが、カレーをひたしたナンを口に突っ込まれ、眉間に皺をよせながら皿を受け取った。



「いや、なんか家族崩壊の危機がお兄ちゃんレーダーに反応しましてね」



「だからって書類は置いていけ。
おかげで俺が9隊のタヌキ親父に叱責されただろうが」



「アベンデンス隊長可哀そうに、明日は寝台が毛虫まみれにちがいない」




およよよよ、とハンカチ持って泣きまねする。


ジンはそれよりも、テーブルの向かい側で心ここにあらずでナンを掴んだままのアリスが気になった。