「嘘をついたんだね」
不意に背中から声がかけられた。
毛布の隙間からそっとのぞけば、背中だけこちらに向けていつの間にやらアルファが寝床の傍に座っている。
「ほっといてくれよ」
「また嘘をついたね」
「ほっといてくれって言ってるだろ、あっちいけよ!」
ナツキは手元にあった積木を背中に投げつけた。
「…………」
わずかにのけぞった背中は、しかし振り返ろうとはしなかった。
ため息をつく音が聞こえ、それがなんだか失望の色がありありと感じ取れるようで、余計に目頭が熱くなる。
「アリス悲しそうにしてたよ」
「知らないよっ、アリス姉なんて大嫌いだよ!」
「紳士らしくないね」
「なりたいなんて思わないっ!」
ああ、また嘘をついた。


