ナツキは自分のテントに逃げ帰り、寝床に滑り込んで毛布にくるまった。
「アリス姉のばか…」
彼女がアルファの身を案じているのは当然だし理解している。
家族同然に一緒にいるのだから、剣を振り回すようなお仕事の彼を心配するのは自分たちだって同じであろう。
それでも、大切なものを壊されたに違いはなかった。
彼女はたぶん、新しいぬいぐるみを買って代わりにするつもりだったのだろう。
ぬいぐるみも、『人と同じで』替えはいくらでもきくものだ。
「大嫌い……」
一人呟いてナツキは縮こまった。
あんなに、あんなに大事にしていたぬいぐるみだったのに。


