天使の毛布




「そういえば、お前この間アリスと一緒に出掛けていたろう」



ジンが淹れたての紅茶を啜りながら言った。



この間というのは正確には一昨日のことで、レインは月に一度暇をもらっては街外れに拠点を置いているサーカス団のテント群に行く。



団長がアルファの義父で、異国からの寄せ集め部隊の面々からすれば、唯一の交流を持っている。




「ええ、東洋の行商船が湊にやってきていると聞いたので、ついていきました」



香辛料や香料、陶器など良品を多く扱う東洋業者がいるとなれば、早速食いつきにいくのが彼女である。



サーカス団のキッチンを預かるアリスも、それによくついていくのだ。




「そういえばその日は、彼女に頼まれてクイーンズディーに行きましたね」



「それって手芸屋じゃん」




クイーンズディーは糸玉や裁縫道具、ぬいぐるみ、その他衣類など女性向けの可愛らしい品を扱っている有名な老舗である。



レインはともかく、あのアリスならそういう場所にいきたがるのも珍しくはないが。




「ショーウィンドウに飾ってあった大きなクマのぬいぐるみをじっと見ていましたよ」



「本当!?」



「ええ」