授業中、私はまわりの男子とクスクスと笑っていた。




(理科の先生、話長い)






口パクで伝えていた。
こんなことを毎日続けていた。




「 如月、ここ何入るか分かるか 」







私、如月葉瑠、とうとうやってしまいました。




恐れていた事態がこんなときに………。






(誰か助けてぇ泣)

口パクで伝えるも、目線をそらされた。
恨んでやる!






「 如月 」




とても小さな消えそうな声で、誰かが私を呼んだ。


空遥_ソナタ_だった。





「 試験管だろ 」

眉を寄せて私をにらむ。





「 試験管………です 」

先生に届くか分からないくらい小さな声で言った。




「 そうですね、これは 」

先生は何事もなかったかのようにまた長い話を始めた。



みんなは良かったねと声をかけてきた。



ホント災難……………。
ふいに、ため息を漏らしてしまった。




それと空遥にありがとうと言った。





空遥はクラスの中で一番モテる。らしい。



私も、本の少し気になっている。
でも、ファンクラブに入るほどではない。




そう、『 空遥ファンクラブ 』があるのだ。