「男前は唯巫ちゃんだよな」
「そうだよねぇ~毎回、男前な唯巫に惚れちゃうわ」
「ハハハハ」
「遥歩君は本当は何処で唯巫と会ったの?なんで似てるの?」
「昔、公園で遊んでくれたんだよ。家の親、ロクな人間じゃなくてさ。毎日公園で遊んでたんだ。似てるのはなんでだろうね?」
子供の頃、私も公園で遊んでた。
お嬢様って肩書きなんてわからなくてSPの目を潜って裏門から抜け出し遊んでは怒られてた。
でも、やめようとは思わなかった。
子供心にあの家には居たくなくて、公園で梨花と友達になった。
でも・・・。
「公園には行ってた。でも・・・」
覚えてない。
「・・・そうか。覚えてないんだ」
でも、喉の奥で骨が刺さった感じなんだけど思い出せない。
「梨花は知ってる?」
「私も覚えてない。アソコに居たのは、私と唯巫ともう一人・・・女の子」
女の子?
「・・・」
遥歩は鈍い顔をした。
「残念だなあんなに楽しかったのにね」
~遥歩~
俺がこの世に誕生した理由が分かったのが幼少時代だった。
「私唯巫。宜しくね」
この子が俺の運命の人なんだと分かった。
似てるってだけじゃない。
似てるのなんて当たり前。
俺には前世の記憶がある。
俺らには前世の魂が輪廻している。