「……」 カンナは頷かない代わりに、静かに目を伏せる。 そして、 「…さすがね。」 口を開いた。 「カンナ、どうしてここへ? 私を追ってきたの?」 レオに、私を連れ戻すよう言われて来たのだろうか… 反射的に体を強ばらせる私に、カンナは至って穏やかな視線を向ける。 それは、私と争う意志はないということを意味していた。 「私があなたを追ってきたのは、独自の判断よ。このことは…レオにも言ってない。」