相変わらず無表情でこちらに歩いてくる。 そして止まるなりまっすぐに私を見た。 「まさか…ずっとここにいたの?」 「うん…」 言いながら私の荷物を差し出してくれた。 「ありがとう」 「それじゃ、行きましょう。」 私のお礼なんて気にも止めず、クルリと回転してカンナは歩いて行く。 「わっ、ちょ、待ってよ…!」 私は慌ててスカーフを結び、荷物を肩に担ぎながら彼女の後を追った。