「まさかお前、ボスの女か?」


「ひどいこと言わないでよ。好きな人にそんな風に言われたら、いくらワタシでも傷つくよ」


「何が好きな人だ」


卓袱台を蹴飛ばした。


「誤解しないで。マモルへの想いは本気よ」


「そんな話、どうやって信じろって言うんだよ」


「言動で証明してきたつもりだけど、信じてもらえないなら仕方ないわね」


ミチルが顔を覆って泣き出した。


何を信じればいいのか、さっぱりわからない。


ただ、泣いてる女の子を見るのはやっぱり苦手だった。