怜は走った。もちろん全力で。
「やばいやばい!でもセーフ!しかも5分前。自分すごい!」
「あれ?来栖も寝坊?」
「へ?? ってうわぁぁあああ!」
悲しい気持ちを抑えてせっかく少し忘れられたかなぁ・・と思ったのに。
目の前には君がいた。
「何だよ、来栖。」
「え、あーっと・・・な、なななんでもないないない!うん。じゃっ!!」
「え?おお。教室でな?」
やばかったって!でも前と変わらず接してくれてるところがなんだか悲しい。
前は嬉しかったのに。すごく。
あっちは昨日うちらがあんな話聞いてただなんて知らないんだろうな.......。
そんなことを思いながら教室に入った。
「あ、怜!おはよう。大丈夫?」
「うん・・・。だいぶ、落ち着いたよ。ありがと!」
「そうなの?なら良かったぁ。」
ガラガラっっっ!
「うっわーやべ。一分前じゃん!俺、天才☆(笑)」
「おー結城、来たんだ!サボりかと思ったよ。つーか天才じゃねえだろ(笑)」
き、来ちゃった・・・。そう、私の好きな人、結城大翔(yuki・hiroto)とは同じクラス。そして、隣の席なのだ。