う、腕を回す…?

恋人でもないのに?



「早くしねぇとチャリから落ちるぞ?(笑)」


秋坂は無意識にあたしを急かす。


あたしは後ろからそっと、腕を前に回した。




妙に鼓動が早くなる。


つい無言になる。




「じゃ、今から加速してくからなっ!!」

秋坂は思い切り自転車を漕いだ。





加速してから、あたし達は無言になった。




だけど、あたしの鼓動はうるさいままで、

これが秋坂にバレないか、

ずっとドキドキしてた。





気づくと、駅前のファミレスに着いた。


「麻宮、着いたぞ!
 ギリギリ6時前(笑)」



あたしは自転車から降りる。


「秋坂本当ありがとう!」


「おう!
 集まり楽しんでこいよ~
 また明日な!」



秋坂は自転車に乗って帰って行った。