「バス乗り過ごしてさ…
 友達と待ち合わせしてたんだけど、
 もう間に合わなくて…」



「じゃ、乗ってけば?」

と、秋坂は当たり前のような顔で言った。





「悪いよ!秋坂今から帰るんでしょ?」



「全然いいって!
 ほら、後ろ乗れよ。どこまで?」




「じゃ、遠慮なく…
 
 駅前のファミレスまで行きたいんだけど…
 かなり遠いし、
 方向同じところまででいいよ!」




恋人でもない男子と二人乗りなんて、
若干抵抗がある。




そんな気持ちを察しないで、
秋坂は自転車をこぎ始めた。





「あ、俺の二人乗りの安全性は
 保障しねぇからな!

 事故っても文句言うなよ~」





「確かに秋坂の二人乗り不安定すぎ!(笑)

 事故とか絶対許さないから!」




あたしは冗談半分で言った。



「おいおい、人に送ってもらっておいて
 文句は一丁前だな~(笑)

 ま、危ねぇし腕回しておけば?」