教室の扉は開いていた。


そっと入ると、教室にいたのは高波流星だけだった。


彼は窓から外を眺めているようで後ろからだと、その表情は見えない。


外から入ってくる風が彼の少し茶色い髪を揺らしていた。


そんな彼の後ろ姿にあたしはまた動けなくなる。


綺麗・・・・・。


男の子を綺麗って思うのは変かな?


でもここにこうしている彼はやっぱりとても綺麗だ。


「ゴメンね・・・・・待たせて」


そう言うと、振り向いた彼と目が合った。


と、同時に、


顔が、全身が、気持ちが熱くなっていくあたし。


彼の瞳に真っ赤になるあたしの顔が映る。