早苗は、いなくなったんだと、安堵のいきをはいた。 早く帰ろうと前を向いたとき。 「お姉ちゃん捕まえた。きゃははっ!」 「あ…ぁぁっ…いやっ…いゃぁぁぁ…─ぶぢぃっ、ごきぃ。 早苗の叫び声は、なにかを引き契るようなおとによって妨げられた。 …そして、早苗が再び叫び声をあげることはなかった。