「ねぇねぇ、さっちゃんって、しってる?」



声をかけてきたのは、早苗の幼なじみの薫枝だった。


「さっちゃん?…コインロッカーの?」



早苗が住んでいる地区では、『さっちゃん』の怪談が有名だ。