誰も信じない

一樹が震えていた。



私を抱きしめる腕が、

話す声が、

伝わってくる気持ちが、



全てが捨てられた犬のように、小さく小さく震えていた。


「一樹。」


私の背中で一樹が泣いていた。

大好きな大好きな一樹が、私の背中で泣いていた。



大好きだよ。

大好きだよ。

大好きだよ。



さようなら。