誰も信じない

しばらく沈黙が続いた。

晃一の時は沈黙が苦しかった。

なのに一樹の時は、逆に気持ちが楽になっていた。


「好きじゃなくなったってことか?」


静かに一樹が沈黙を破った。


「ううん。本音を言えば、私は晃一も一樹も好き。二人とも同じくらい大好き。」


「じゃあなぜ?」


「だから二人から別れるの。」


「わかんねーよ!」


一樹は頭を抱え込んでしまった。



苦しめてごめんなさい。

でも私はもう決めたの。