誰も信じない

「窓、開けてみ?」


いきなり一樹に言われ、私は車の窓を開けてみた。



すると、潮の香りが鼻腔をくすぐった。


「海がそばにあるの?」


「そ。」


「うわー!!」


『海』って聞いただけで、私のテンションが一気に上がった。

子供の頃から、ずっと海はすっごく大好きな場所。


「海ってすっごく好き!何であんなに楽しい気持ちになるんだろう?」


「美穂。ガキみてー。(笑)」


「いいもん。好きなんだからいいじゃない。」


プーってむくれていたら、一樹はちらりと私を見て、すぐまた前見て運転しながら嬉しそうな笑顔になった。



うん。一樹は笑顔が一番だよ。