誰も信じない

「でも気持ちってのは、なかなか伝わらねーもんだよなー。」


そう言った途端、新田さんはまたご飯を食べ始めた。

私も自分のお弁当を食べた。


「何かさ、俺、勘違いしていたのかもしれないな。」


ポツリと新田さんがつぶやいた。


「何がですか?」


「その人は、俺を好きなんだって思ってたけど、噂では付き合ってる人がいるらしーんだよなー。」


「噂なら、まだ本当かどうかわからないじゃないですか。」


新田さんは、食べ終わったお弁当を片付けながら私を見て


「そう思う?」


と、真剣な眼差しで聞いてきた。




ドクン