グラスのふちを指で触りながら話す。何だかちょっと恥ずかしくて、天野さんの顔を見ることはできなかった。


「今日の昼間も話したけどさ、橘さんってすっごくいい雰囲気になってきたね。」


「そうですか?」


「うん。今までは笑わなかったし、バリア張ってるって感じ。誰も近づかせたくないって感じのバリアがあって、近寄りがたかったかな。(笑)」


そうかもしれない。バリアは張っていたかもしれない。



鋭いな、天野さんって。