誰も信じない

「俺、しゃべりすぎたかな?ごめんな。(笑)」


そう言うと彼は、飲み残しのソルティードッグを飲み干して、マスターにお替りを注文していた。


「新田さん、気がついていたんですか?」


「ん?」


「私が人を信じられないってこと。」


「当時の俺と同じ目をしてたから。(笑)」


人を信じられないところは、誰にも言わなかったし隠していたつもりだった。でも彼にはお見通しだったんだ。