誰も信じない

「俺さ。」


沈黙を破ったのは新田だった。


「学生の時に付き合ってた人がいたんだ。すっげー好きで、いつか結婚したいって思ってたんだ。美人だし優しくて、俺にはもったいないくらいの人。」


そんな話をしたくてここに来たの?

悲しくなってきたよ…。


「でもさ、その人は俺を裏切ってたんだ。二股かけててさ、向こうの方がいいからって、あっさり俺を捨てたんだよ。」


「ひどい。」


「だろ?(笑)」


何でそんな風に笑っていられるの?