家の外にいる時の両親は、家の中でのケンカが嘘のように、夫婦円満な姿を演じていた。



優しくて子煩悩な父親。

明るくていつも笑顔で見守っている母親。



そんな絵に描いたような姿を、演じている両親に吐き気がした。

小さな頃はそれでも、『本当の姿はこっちなんじゃないか?』って何度も信じようとしたし、そうであって欲しいと思ってた。



でも本当の姿は、家の中の顔の方だったんだ。