『うん。正式な人数は五十四人だけどね?まあ、幽霊部員は抜きで、だけど。』
秋美奈は中学の吹奏楽部では部長を勤めていた。
だから、頭には部員全員がはいっている。
「だよね?それってだいぶヤバイんじゃないの?」
『うん。しかも、この高校って進学校じゃん?だから、部員が十人切ると、かなりきついんだって。まあ、吹奏楽する時点でその人数はきついけど。』
「…それで、部員がほしいってことか。」
『うん。そうなの。同じ中学のクラリネットの先輩からいわれちゃって。』
「入るのはいいとして、楽器初心者の私が入って大丈夫?」
『大丈夫!大丈夫!美桜ってピアノやってるじゃん。だから、音楽的なことに関しては完全に初心者ってわけではないからさ?』
「んなこといったって、私が分かるのは楽譜のことだけだよ?吹奏楽なんてついていけるかどうか…。」
『じゃあさ、とりあえず、明日部活紹介あるから体験行かない?』
「うん、とりあえず行ってみようかな。」
『ほんとに!?ありがとー!』
「入るかどうかはまだわからないけど…とりあえず体験は行くよ。」
『んじゃ明日一緒に音楽室行こ!』
「うん!」
