この音よ、響け。




『そういえばさ、美桜って部活入るの?』



「んーどうしよう。バイトもしたいんだけどな…。悩み中!」



『美術はやらないの?』



「うん。美術はもういいよ。」



『そっか…。じゃあさ、吹奏楽、やらない?』



「えっ?今さら無理でしよ?秋美奈みたいに中学からやってるんだったらまだしも…」



『あのね、ここの吹奏楽部って、二年生と三年生合わせて十人しかいないんだって…』



「えっ、十人!?うちの中学で五十人ぐらいだったよね?」



うちの中学は全校生徒も多い高校で、



特に吹奏楽部は人気だった。



だから、十人とかの人数は考えられなかった。