この音よ、響け。




次にわたされたのも、黒くて、リードと呼ばれるものがついていた。



『吹き方は、クラリネットと同じ。ただ、大きさが違うから、こっちのほうが吹きやすいかも!やってみて?』



「はい!」



トーフートー、トー



『やっぱこっちのが吹きやすそうね。案外すぐ音でたね?』



「はい!」



トー、トー、



三分くらい吹き続けていると、だんだん音が出るようになった。



『じゃあ、そろそろ本体つけよっか!』



「はいっ!」



本体をつける。



トーー、トーー



音が出た。



『おぉー!やるじゃん!』



いろいろキーを教えてもらい、



指を動かしていろいろな音を出せるようになると、



すごく楽しい気持ちになった。



この時、心から楽器をやりたい、サックスをやりたい、と思った。



他にもトランペットやトロンボーンを体験したけど、



サックスほど楽しい気持ちにはならなかった。