「気にするな。眠たい時は寝ればいい。……外にでようか?」
「はい」
荷物はそのままに、途中でよったコンビニの袋を手にする。
「お腹空いたろ? コンビニで悪いが、メシを買ったぞ。そこに座って食べようか」
「何から何まで申し訳ございません」
二人で海を見ながらコンビニのご飯を食べる。
熱い昼間とは違い、海風が心地いい。
「何がいい? 好みがわからず適当に選んでしまったが」
後藤はコンビニの袋を広げ、今日子に見せる。
そんな後藤を見て、
「部長……今日は、本当に申し訳ございませんでした。以後は気を付けます」
「もう済んだことだし、会議には何ら問題がなかった。気にするな……とは言っても、お前は気にするんだろ? だから今からは俺への罪滅ぼしだと思って傍にいてくれ」
「部長……」
何故そこまで優しく接するのだろうか。
会社での厳しい目つきも、今は全くなく、今日子を優しく見つめている。
「さ、食べよう。どれがいい?」
「……すみません……」
今日子はサンドイッチを選び、コーヒーを貰う。
後藤もまた同じようにサンドイッチを取って、食べ始めた。
海を見ながら食べるコンビニのサンドイッチは、いつもの味とは一味違った。
自然を見ていると、気持ちが落ち着いてくるのが分かる。
後藤は、そんな今日子の様子を見る。
後藤なりにどこへ連れて行くか、散々悩んだ。考えつくのは、すべて今日子が拒否しそうな場所ばかりだった。
映画においしい食事、ショッピングなどばかり思い浮かんだ。仕事以上に悩んだのは初めてだった。自宅に帰り、真っ先にしたのは、パソコンを開いて、観光スポットを検索したことだった。
人気がなく静かな場所はと、ずっと考えて今回のドライブに決めたのだ。
「お前、視力いいだろ。何故メガネをかけている?」
夜の闇でメガネをしていないのに、はっきりと見えているかのような行動をする。
静かにコンビニの食事を済ませ、一息ついたころ、後藤は今日子に聞く。
「え!……あっ! メガネ、メガネは何処ですか? あのメガネ!」
今日子は、顔をさわり、メガネをかけていないことに気が付く。
穏やかだった今日子は、一変して焦りだす。
「車の中だ」
「あの、取ってきます。鍵を貸してくれませんか?」
今日子は後藤に手を出し、鍵を催促する。
「嫌だ。ここに居ろ」
「い、いや。嫌です。お願い鍵を貸して、お願い!」
後藤にすがりつくように懇願する。
こうなると、日頃おとなしい今日子だが、なりふり構わなくなる。
「……」
観察をするように今日子を見つめている後藤。
「……お願い……。お願いします。……!!」
「はい」
荷物はそのままに、途中でよったコンビニの袋を手にする。
「お腹空いたろ? コンビニで悪いが、メシを買ったぞ。そこに座って食べようか」
「何から何まで申し訳ございません」
二人で海を見ながらコンビニのご飯を食べる。
熱い昼間とは違い、海風が心地いい。
「何がいい? 好みがわからず適当に選んでしまったが」
後藤はコンビニの袋を広げ、今日子に見せる。
そんな後藤を見て、
「部長……今日は、本当に申し訳ございませんでした。以後は気を付けます」
「もう済んだことだし、会議には何ら問題がなかった。気にするな……とは言っても、お前は気にするんだろ? だから今からは俺への罪滅ぼしだと思って傍にいてくれ」
「部長……」
何故そこまで優しく接するのだろうか。
会社での厳しい目つきも、今は全くなく、今日子を優しく見つめている。
「さ、食べよう。どれがいい?」
「……すみません……」
今日子はサンドイッチを選び、コーヒーを貰う。
後藤もまた同じようにサンドイッチを取って、食べ始めた。
海を見ながら食べるコンビニのサンドイッチは、いつもの味とは一味違った。
自然を見ていると、気持ちが落ち着いてくるのが分かる。
後藤は、そんな今日子の様子を見る。
後藤なりにどこへ連れて行くか、散々悩んだ。考えつくのは、すべて今日子が拒否しそうな場所ばかりだった。
映画においしい食事、ショッピングなどばかり思い浮かんだ。仕事以上に悩んだのは初めてだった。自宅に帰り、真っ先にしたのは、パソコンを開いて、観光スポットを検索したことだった。
人気がなく静かな場所はと、ずっと考えて今回のドライブに決めたのだ。
「お前、視力いいだろ。何故メガネをかけている?」
夜の闇でメガネをしていないのに、はっきりと見えているかのような行動をする。
静かにコンビニの食事を済ませ、一息ついたころ、後藤は今日子に聞く。
「え!……あっ! メガネ、メガネは何処ですか? あのメガネ!」
今日子は、顔をさわり、メガネをかけていないことに気が付く。
穏やかだった今日子は、一変して焦りだす。
「車の中だ」
「あの、取ってきます。鍵を貸してくれませんか?」
今日子は後藤に手を出し、鍵を催促する。
「嫌だ。ここに居ろ」
「い、いや。嫌です。お願い鍵を貸して、お願い!」
後藤にすがりつくように懇願する。
こうなると、日頃おとなしい今日子だが、なりふり構わなくなる。
「……」
観察をするように今日子を見つめている後藤。
「……お願い……。お願いします。……!!」



