翌日、同じように会社に行くと、また後藤が早朝に出社していた。
「おはようございます」
今日子も流石に今日は早く来た理由が見つからない。
「おはよう」
昨日のような言い訳はもう出来ない。仕方がなくいつも通りに掃除を始めた。
こんな調子で今日子の規則正しい生活が崩れっぱなしだ。変化についていけない今日子は、これだけで、疲労する。
掃除をしながら、深いため息が出る。
部署の、デスク上の物の位置を変えないよう注意を払いながら拭き掃除を進める。
すると、反対方向から後藤が拭き掃除をしていた。
「後藤部長! 私が掃除をしますから、部長は仕事をなさって下さい」
今日子は後藤に駆け寄り雑巾を奪い取った。
「一緒に掃除をしよう。二人でやれば早く終わるから」
「いいえ、部長にさせるわけにはいきません」
「じゃあ、林お前も掃除をするな。一緒にコーヒーでも飲もう。俺が淹れるから」
「そ、それは」
今日子は、困った顔をする。
「さあ、あと少しで終わる。そのあとゆっくりとコーヒーを飲もう」
にこやかに後藤は、雑巾を今日子の手から取った。
「……」
押し問答をしていてもしようがない、どんどん時間は過ぎてゆく。諦めて掃除の続きを始めた。
二人で掃除をしたせいか、早く終わり、雑巾を片付けている間に、後藤がコーヒーを入れて持ってきた。
「はい、お疲れ」
「あ、申し訳ありません。部長に淹れていただいてしまって」
今日子は恐縮して頭を下げた。
「遠慮をすることはない。上司だからといって、部下にコーヒーを入れたって変なことはないだろう?」
「はい……。それでは遠慮なく頂きます」
カップを受け取り、自分のデスクに行こうとする今日子を後藤が止めた。
「林、あのラウンジに行こう。景色を見に行こう」
「……はい」
不意打ちの誘いに断る理由も見つからず、今日子は後藤に従った。
後藤の後を歩きながらラウンジに行く。その顔は、
非常階段をのぼりラウンジに着くと、朝の澄んだ景色が広がっていた。
「おはようございます」
今日子も流石に今日は早く来た理由が見つからない。
「おはよう」
昨日のような言い訳はもう出来ない。仕方がなくいつも通りに掃除を始めた。
こんな調子で今日子の規則正しい生活が崩れっぱなしだ。変化についていけない今日子は、これだけで、疲労する。
掃除をしながら、深いため息が出る。
部署の、デスク上の物の位置を変えないよう注意を払いながら拭き掃除を進める。
すると、反対方向から後藤が拭き掃除をしていた。
「後藤部長! 私が掃除をしますから、部長は仕事をなさって下さい」
今日子は後藤に駆け寄り雑巾を奪い取った。
「一緒に掃除をしよう。二人でやれば早く終わるから」
「いいえ、部長にさせるわけにはいきません」
「じゃあ、林お前も掃除をするな。一緒にコーヒーでも飲もう。俺が淹れるから」
「そ、それは」
今日子は、困った顔をする。
「さあ、あと少しで終わる。そのあとゆっくりとコーヒーを飲もう」
にこやかに後藤は、雑巾を今日子の手から取った。
「……」
押し問答をしていてもしようがない、どんどん時間は過ぎてゆく。諦めて掃除の続きを始めた。
二人で掃除をしたせいか、早く終わり、雑巾を片付けている間に、後藤がコーヒーを入れて持ってきた。
「はい、お疲れ」
「あ、申し訳ありません。部長に淹れていただいてしまって」
今日子は恐縮して頭を下げた。
「遠慮をすることはない。上司だからといって、部下にコーヒーを入れたって変なことはないだろう?」
「はい……。それでは遠慮なく頂きます」
カップを受け取り、自分のデスクに行こうとする今日子を後藤が止めた。
「林、あのラウンジに行こう。景色を見に行こう」
「……はい」
不意打ちの誘いに断る理由も見つからず、今日子は後藤に従った。
後藤の後を歩きながらラウンジに行く。その顔は、
非常階段をのぼりラウンジに着くと、朝の澄んだ景色が広がっていた。



