俺と初めての恋愛をしよう

 ルームサービスではコースのお料理を頂き、シャンパンで乾杯した。
 シャンパンは口当たりがとてもよく、酒の弱い今日子でも何杯でもいけそうだった。

「今日子はもう飲んじゃダメ」

 俊介にシャンパンを取り上げられ、膨れる。

「どうして、俊介さんだけ……」
「この後のお楽しみが飲みすぎると出来なくなるから」
「もう、そればっかり」

 恥ずかしくて顔が赤くなる。

「あ!俊介さん。ボストンバッグ! 泊りの用意が入っていたのね? 私の分も?」
「ああ。引出開けて下着も持ってきたぞ」
「そんなことまでしなくていいのに」

 後藤の行動に驚きながらも楽しく、美味しい夕食をとった。
 ゆったりとしたお風呂に入り、至福の一時を味わう。
 下着にバスローブを着てお風呂からでると、後藤もバスローブ姿で残っていたシャンパンを飲んでいた。

「今日子、おいで」
「俊介さんだけずるいわ」

 少し拗ねてみせた時、俊介が唇を重ね、今日子の口にシャンパンが広がった。
 そのまま抱き上げられ、ベッドへ下ろされる。

「今日子、これからはもう傷つくことは何もない。周りが何を言おうと俺の言葉だけを信じるんだ。分かったか?」
「はい」

 今日子のバスローブの紐に後藤の手が掛かり、解かれる。それは今まで今日子を縛り付けていた呪文も一緒に解けるようだった。
 愛された余韻の残る身体を起こし、バスローブを羽織る。
 窓際から見える都会の夜景がさらに輝いて見えた。指輪がはめられた手をかざせば、夜空に輝く一番星のようだ。幸せに身震いがする。何か、大きなしっぺ返しがくるかもしれない。その時は、今の自分よりもっと強くなっているだろうか。それとも、頼ってばかりの情けない女のままだろうか。
 今日子に出来ることは、頬を伝う涙が、悲しみの涙ではなく、共に歩くうれし涙であること、そして作り笑いとさよならすること。
 そして、

「今日子……愛してる」

 今日子は愛しいその人にこれからもずっと、一番の微笑をあたえよう。
 それが、今の今日子に出来る愛し方なのだから。